”ダイエット”にまつわるウソ
”痩せるお茶”は存在する?
食べ過ぎて胃がもたれたとき、
お茶が欲しくなることがあります。
脂っこいものをたくさん食べたとき、苦味の強いタイプのお茶を飲めば、爽快感を感じることもあります。
だからといって、お茶にダイエット効果があると考えるのは誤り!
肥満の原因の一つに「脂肪の摂りすぎ」がありますが、
日本茶であれ、中国茶であれ、紅茶であれ、
脂肪を分解する効果はほとんど望めません。
満腹中枢を刺激する効果も限りなくゼロに近いものです。
お茶には利尿作用があり、水分を多めに取れば便通もよくなります。尿や便を出せば体重はわずかに減ります。
しかし、そのことがダイエットと無関係であるのは説明するまでもないでしょう。
いくらお茶を飲んだところで、痩せることはないのです。
中華料理には脂っこいものが多いけれど、中国人は痩せている人が多い。なぜなら、中国人はお茶をたくさん飲むからだ・・
そんな話がありますが、これはウソです。
中国茶には独特の風味があります。
ポリフェノールなど抗酸化作用のある成分が含まれていますから、体によい効果もあります。
しかし、飲んで痩せることはありません。
このような誤解が広まった背景には、メーカーの広告があるようです。ひと昔前は「このお茶を飲めば痩せる」といった宣伝がさかんに行われていました。
近年では薬事法の影響によって、誇大広告、ウソの広告はかなり少なくなりましたが、その分「イメージ戦略」は巧妙になっていると言えます。
たとえば、とてもスリムな女性たちをCMに起用して、
「これを飲んで綺麗になりましょう」などとコピーをつければ、
「あれを飲めば痩せるのだろう」という印象を多くの人が持ちます。
お茶や清涼飲料水のCMというのは、基本的に「健康にいい」「太らない」というイメージを強調しているものです。
それが完全なウソでないケースも多々ありますが、健康維持や肥満解消は、何か特定の飲み物を飲み続けたくらいでは実現できないものだと心得るべきでしょう。
どんなお茶も、飲むだけで痩せることはないのです
”ビールは太る”はウソ!
ダイエット中に禁酒をする人は少なくありません。どんなお酒であれカロリーゼロということはありませんし、お酒には食欲を増進させる効果もあります。
痩せたいのなら、やめるのが賢明でしょう。
無理なく痩せるためには”我慢”をできるだけ減らす必要もあります。~食べたいけれど、食べない。
そんな我慢のうえに禁酒の苦痛まで加われば、
ダイエットそのものが頓挫してしまう恐れがあります。
禁酒がダイエットの大きな妨げになるのであれば、
お酒はむしろ飲んだほうがいいでしょう。
カロリー、飲む量などをしっかり計算しておけば、
お酒は”ダイエットの敵”にはなりません。
アルコールのカロリーは、1gあたり7Kcalです。
つまり、度数が高いお酒ほど太る危険は大きいのです。
逆に、ビールや発泡酒はダイエット向きのお酒だと言えます。
ビールと言えば”太る酒”の代名詞のように言われますが、
アルコール度数は低いし、有効な栄養はほとんど含まれていません。同じ量を飲むなら「ビールは最も太りにくい酒」なのです。
焼酎やウイスキーなどは、アルコール度数が高くても水やお湯で割って味や香りを楽しむことができます。
しかし、あまり薄くしてしまえば、カロリーは減っても
”飲んだ~”という充実感は少なくなります。
やはりダイエット中に飲むなら、少量のビールにすべきでしょう。度数の高い酒は、「理性を失ってたくさん飲んでしまうリスク」も高くなります。
ビールが”太りやすい酒”だと言われるのは、
たくさん飲めること、脂っこいつまみに合うことが原因です。
そもそもダイエットをしている人なら、たくさん飲んだり、
つまみに”油もの”ばかりを選んだりしないはず・・・
酒と肥満には必ずしも関係があるとは言えない、
という嬉しいデータもあります。
”日常的に酒を飲んでいる肥満者”と
”酒をほとんど飲まない肥満者”の数はほぼ同じだという
調査報告があるのです。
飲むときにはあまり食べない(食べられない)という人はたくさんいます。逆に、大酒飲みの大食漢は珍しいといえます。
アルコールが分解されるときには肝臓の働きが活発になるし、
血管は拡張し、体温が上がります。そのため、アルコールのカロリーは蓄積されにくい、という医学的な仮説もあります。
ダイエットに酒は禁忌ではありません。
適量を飲んだほうが長く続けられる、というなら飲むべきです。
”砂糖は太る”はウソ
砂糖と肥満に、直接の関係はない・・・
本当にそうなのか、半信半疑の人も多いでしょう。
砂糖と"肥満効果”について説明します。
砂糖のカロリーは1gあたり約4Kcal。
コーヒーを飲むときに使う砂糖スティックには約4g入っていますから1袋で16Kcal。
真剣にダイエットに取り組んでいる人なら、ここで気付くはず、
砂糖のカロリーはたいして高くない、むしろ低カロリーだと。
ごはんと比較してみると、茶碗一杯に軽くよそったごはんは
160Kcalです。つまり
砂糖スティック10本≒ごはん茶碗1杯 となります。
砂糖スティックを1日に10本も消費していれば、
太って当然だと思う人が大半でしょう。
1日に摂るごはんの量が茶碗1杯だけなら、
痩せて当然だと思う人も多いはず。
しかし実際は、茶碗1杯のごはんと砂糖スティック10本のカロリーは同じなのです。
摂取カロリーが増え過ぎれば”余剰分”は皮下脂肪として蓄えられます。砂糖もその例外ではありません。食べすぎれば肥満につながります。しかし砂糖はいわば低カロリー食品。
”食べ過ぎ”はそう簡単に起こるものではありません。
砂糖はすぐに皮下脂肪になる・・・
そんなことがよく言われますが、根拠のない話なのです。
砂糖は体内でブドウ糖と果糖に分解されます。
いずれもダイレクトに脂肪になることはありません。
砂糖には脂肪を増やす作用がある、などとも言われますが、
これも限りなくウソに近い話。
砂糖が脂肪を増やすのは事実ですが、他の食品と比べてその作用が著しく高いということはありません。
砂糖を摂ると代謝が低くなるとか、砂糖が体内の物質と結びついて脂肪に変わる、といったことも皆無です。
コーヒーや紅茶に砂糖を入れずに飲んでいても、
ダイエット効果はほとんど望めません。
ケーキやクッキーなどの”甘いもの”は、もちろん肥満の原因となります。しかしその”主犯”は卵やバターなどであって、
砂糖ではありません。甘いものを控えることに痩せる効果はありますが、砂糖を控える必要はないのです。
痩せるためには、砂糖はむしろ積極的に摂るべきだとさえ言えます。なぜかといえば、ブドウ糖には満腹中枢を刺激する働きがあるからです。簡単に言えば、砂糖を摂るとお腹がいっぱいになった、という”錯覚”が起こるのです。
低カロリーで、しかも食事を減らす苦痛をやわらげるのですから、砂糖はダイエット食品であるとも言えるでしょう。
”宿便を取れば痩せられる”はウソ
腸の中には、いつまでも排泄されない
”宿便”があり、人によってはバケツ一杯分の宿便が、びっしりと腸壁にこびりついている。
これを全部“洗浄”すれば、健康にもいいし、
痩せられる・・・
そんなことが、一時期さかんに言われました。
”宿便ダイエット”という言葉は、便秘症に悩む人、
痩せたいと願っている人ならば、一度は耳にしているのでは?
”宿便ダイエット”に何かしらの効果は期待できるのか?
宿便を取り除いたら、痩せるのか?
答えは”ノー”です。
宿便という存在自体があやふやなものなのです。
便秘になれば、便は長く腸にとどまります。
これは健康によくないことですが、
半年や1年という単位で腸に残る便は、存在しません。
腸壁の細胞は常に新しいものにつくり変えられていますから、
そこに便が付着し続けることなど、ありえないのです。
大腸に”憩室”というポケット状のくぼみが出来たときは、
そこに便がたまることはあります。その結果、炎症などが起こるケースもあります。しかし、憩室に溜まる便と、巷間言われている”宿便”は、質量ともにまるで違うものです。
(憩室そのものは病気ではありません。先天的に憩室のある人、後天的に憩室が出来る人の2パターンがあります。)
「宿便性直腸潰瘍」という病気がありますが、これは排便そのものができなくなる病気です。
宿便の二文字を冠しているものの、一部の便だけが腸に残り続ける、という症状は出ません。
では、宿便とはいったい何なのか?結論からいえば俗語です。
広辞苑で”宿便”をひくと、「腸に長くたまっていた便」とあります。しかし、家庭の医学には”宿便”という項目はありません。”便秘症”あるいは”腸の病気”の項目を読んでも、”宿便”の二文字は見つけられません。
医学の事典にはない言葉が、一般の事典に出ているのは不思議です。要するに、宿便とは世間一般で使われている俗語のようなものだと考えられるわけです。その意味するところは、
「便秘に苦しんでいる人の便」といったところでしょうか。
仮に、「腸にこびりついてずっと排泄されない便」というものがあったとします。これを取るだけでは、問題は解決しないはずです。そういう便が出来てしまう体質が問題なのであって、
体質を改善しない限りは、何度”宿便”を取っても、同じことのくり返しです。その意味でも、
”宿便ダイエット”の効果は期待できないと言えます。
”ポリープはガンの芽”は本当か!?
人間ドックでポリープが見つかったので、
切除してもらいました。
ひと昔前は、よくそんな話を聞いたものです。
ポリープとは、胃や大腸などに生じる「茎を伴った異常な盛り上がり」のことで、炎症性のもの、腫瘍性のものなどがあります。
かつてポリープといえば、「見つけたらすぐに切除する」というのが常識でした。なぜかといえば、”ガンの芽”だと考えられていたからです。
切除したポリープの一部からガン細胞が発見されるケースが稀にあったため、ポリープは最終的にガン化するに違いないと考えられていたのです。
しかし、最近は切らないケースが増えています。
理由は単純で、切らなくても問題が出ないケースが多いことが
わかったからです。
現在は、ポリープの九割以上を占める”過形成性ポリープ”には、ガン化の心配がないことが明らかになっています。
したがって、過形成性ポリープなら基本的に切除する必要はありません。心配な人は、半年に一度くらいのペースで通院し、
経過を観察してもらえばいいでしょう。
ポリープの中で危険だとされているのは、”腺腫”と呼ばれるタイプです。これはガンに進行する可能性がある、というのが
今日の常識です。多くの医師は、腺腫であればどんなに小さくても切除すべきだと考えています。
しかし一方で、腺腫もガン化しないとする医師もいます。
たとえば、慶応大学医学部の近藤誠氏は、著書「成人病の真実」(文藝春秋)の中で、ポリープの経過を観察したいくつかのデータを示しながら、胆嚢や大腸のポリープは、腺腫でもガン化しない、ということを述べています。
くり返しますが、腺腫がガンに進行する”可能性”があることはわかっています。これはつまり「腺腫がガンにならないとは言えない」ということです。
「ガンになる」と、はっきり証明されたわけではないのです。
大腸に何千個ものポリープができる”家族性大腸ポリポーシス”というきわめて特殊な病気では、ポリープは100%の確率でガン化します。しかし、それ以外のケースでは”ポリープがガン化する確率”は不明なのです。
一方、腺腫が小さくなったり、消えたりするケースは確認されています。すべての腺腫がガン化しないことだけは、明らかになっているわけです。
いずれにしても、ポリープなら即切除というのは、必ずしもベストの処置ではありません。発見されたポリープが腺腫で、
医師に切除しなければならないと言われたときは、別の医師にも診断を仰ぐことも大切です。
腺腫は危険だけれど、小さなものは経過観察をするのがベストだと考えている医師も少なからずいるからです。
ポリープを切除する手術は内視鏡を使った簡単なものですが、
どんな簡単な手術であれ、しないですむのなら、それに越したことはないでしょう。
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