年をとってから骨粗しょう症になるのを防ぐには若いうちからカルシウムを取るのが大切です。
2006年に公表されたデータでも、思春期(おおむね10~11歳)前にカルシウムを多く取ると明らかに骨の量が高くなるという結果がでた。若いときにカルシウムをたくさん取ると、年をとっても骨がもろくなるのを防ぐことができることを示している。

 

 1日のうち、いつ取るのがよいのかを知ることも重要だ。カルシウムを多く含む食品として、よく知られているのが牛乳などの乳製品だが、これにも効果を引き出すのに最適な摂取時間があるというのだ。「時間栄養学」という学問分野で、「何をどれだけ」というだけでなく「いつ」という時間を研究しようという。


 人間の体には一定のリズムがある。1日、1週間、1か月などリズムは様々あるが、最もよく知られているのが1日の生体リズムである日周リズム(サーカディアンリズム)だ。この日周リズムにあわせると効果的な牛乳の摂取法がわかるという。1日のうちいつ食事を取ればよいかを調べるのだ。


 県立広島大学人間文化学部の加藤秀夫教授(健康科学科)によると、目的別に牛乳の摂取時間は異なるという。
 例えば、便秘を予防し毎日をすっきり過ごしたいと思っている人は、牛乳を朝に飲めば効果的。朝、牛乳を飲めば胃腸の動きが活発になり、便秘も防げるというわけだ。
 同様に、昼に牛乳を飲むとその日の筋肉活動に必要なカルシウムが補給され、活動的な1日がおくれ、トレーニングをやっている人はその効果も上がるという。


 丈夫な体をつくり大きくなりたいと思ったら夕食時に飲むのがよい。このとき、果物と一緒に取るとより効果的だ。
果物にはクエン酸やリンゴ酸が含まれており、これらはカルシウムの骨への沈着(利用)が促進されるからで、丈夫な骨ができる。
 骨は夜つくられるから、骨の元になるカルシウムは夕方に取るのが合理的。思春期を含めた成長期にはカルシウムを夕方に取った方がよい、という結果もうなずける。
同様に若いときにカルシウムを含む食品を意識して取るようにしてほしい。(江戸川大学教授 中村雅美)

               平成23年10月30日日本経済新聞