運命の良し悪し

 実は宇宙的にいうと「運命」に良し悪しというものはありません。したがって「運命」が好転するということもなければ、「運命」が悪くなるということもありません。
 どうも、私たちの人生は、生まれる前に自分でシナリオをかいてきたようなのです。そのシナリオのとおりに人生が展開していくので、初めから「運命」というものは決まっています。
よって「運命」が良くなったり悪くなったりということは宇宙的には存在しないのです。


ただし、宇宙的でなくて、個人の感覚で「運命」の良し悪しというものを決めることはできます。


仮に過去形で「自分は運が良かった」と言ったとします。するとその人は、「運が良かった人」になります。過去形で「自分は運が悪かった」と言ったとすると、その瞬間にその人は、これまでの人生が「運が悪かった人」になってしまいます。


同じように、仮に現在形で「私は運が良い、運の強い人間である」と言ったとします。するとその人は、現在から未来にかけて「運の良い人」「運の強い人」になります。「私は運が悪い」と過去形で言ったりすると、その人は言った瞬間に、これからもずっと「運が悪い人」になってしまうのです。


つまり、宇宙的な存在としては、「運」が良いとか、悪いとか、好転するとか、悪化するということはないのですが、今までのこと、現在・未来のことが全部「運」が良かったり、悪かったりに変化します。事実としては何も変わっていませんが、自分の認識によって良くなったり悪くなったりするのです。


「幸せ」というのも、「運命」と同じような性質を持っています。
「自分は今まで幸せではなかった」と思えば、たぶん「幸せ」ではなかったのです。「自分は今までとても幸せだった」と思ったら、とても「幸せ」だったのです。


「これからも私は幸せだ」と思ったら、ずっと「幸せ」に生きていくことができます。「自分は幸せでないんだ」と思ったら、これからもずっと、「不幸せ」な人生を生きていくことになるでしょう。


自分の認識によって物事の価値が変わるというのは、「運命」も「幸せ」も例外ではありません。 

小林正観